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〆はテーブル製作

家具職人の五味です。

新築やリノベーションの造作家具製作の〆として一枚板ダイニングテーブルを製作させて頂く事がポツポツと増えています。

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テーブルを製作しながら様々な事を考えてしまいます。

打ち合わせや地鎮祭でお会いしたお施主様のお顔や人柄、お子様の笑顔だったりが頭を過ぎります。

テーブルを囲んで一家団欒。

ご家族はそれぞれどこに座るのかな?テーブルの節を見てどう思うのかな?毎日このテーブルを囲んでどんな話をするんだろうか?など様々な感情を想像しながらテーブルを磨いてしまいます。

家を創るという中でテーブルは決してメインではありません。

ですが、家族全員が集まり顔を合わせる唯一の場所、家の中心的な場所になるのかなと個人的に思います。

この一枚板は、実際にお施主様が材木屋さんで選ばれた一本物の板です。

家を創るというストーリーの中でこれをお施主様が自身で選ばれた、そしてそれを大切にお預かりし製作させて頂く事は大切な家創りの役割であると思っています。

家具製作の〆としてテーブルを作ることには何か感慨深いものがあります。

 

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脚は強靭な二枚ホゾでしっかり組みます。

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杉の一枚板ダイニングテーブルオイルフィニッシュ仕上w2000×D1000×H720×T65

脚:アメリカンブラックチェリー

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山桜一枚板ダイニングテーブルオイルフィニッシュ仕上w1900×D870×H720×T50

脚:アメリカンブラックチェリー

 

余談ではありますが、この一枚板テーブルにある節は何だかお分かりになりますでしょうか?

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あたり前ではありますが、この節は木の幹に対して直角方向に伸びている枝の場所です。

この木にも何十年もかけて生い育ったストーリーがあります。

年輪をよく見ると目の詰まり具合いが一定ではありません。

これは寒かった年、暖かかった年があるということです。様々な気候状態も読み取れるかもしれません。

この落とされたであろう枝にも、かつては鳥が止まったかもしれないし小動物も休んだかもしれないです。

最後は人の手によってチェーンソーで切られたのでしょうか。

このギザギザした枝の切り口は伐採された時のままで今回は活かしています。

我々がどこまで手をかけるかというのもこの木を見て考えさせられるものがあります。

以上

家具職人五味

 

「車寄せのある平屋」の家具

こんにちは、家具屋の五味です。

仕事にかまけてブログを更新せずに

いつの間にか今年も残るところあと数日となってしまいました。

先日、完成見学会を行いました「車寄せのある平屋」の家具達をご紹介いたします。

今回は意匠面にナラ材を使用しています。

ナラ材は一般的には高級材にあたります。

木目がしっかりしていて硬質な質感があります。

キッチンはアイランド型と壁面とセパレートに配置しました。

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アイランド型は両面使いの収納扉付きです。

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 壁面側は引き出しを多く配置して、収納を十分に確保いたしました。

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ソファーも背と座のクッションを含めフルオーダーメイドいたしました。

大容量の収納引き出しもついています。

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TV台は間口が3.6mもある超大型ではありますが、

非常にすっきり収まったのではないかと思います。

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天板は無垢材をハギで製作いたしました。

ハギとは材料の幅を目的の幅にするために、繋ぎ合わせる作業の事を言います。

この作業は材料の長さが長くなればなるほど大変であるのと、材料の購入や選定が難しくなってきます。

今回は3.6mあるので苦労する部分もありましたが、綺麗に収まって良かったです。

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このようにハギの際は長い材料を一枚ずつ木目の選定しております。

 

 

建具も家具と共材にて製作しております。

写真の建具は、リビングダイニングのメインの建具なので、無垢の框組で製作しました。

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そしてアイランドキッチンの横にはテーブルをクルミ材で製作しました。

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こちらは総無垢で脚も共材のクルミです。

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 ホゾ組みなので強度は抜群です。

組み立てもクランプしてしっかりかためます。

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クルミは木目と質感が柔らかくて手触りの良い木です。

テーブルには良く適した木材です。

ナラ材の家具にもとてもマッチしていると思います。

 

他にもトイレ収納やミラー付き洗面台などご紹介しきれないほどありますが、

このようにすべての家具を自社で製作できるのが中山建設の大きな特徴です。

 

 

さて、私の今年の最後のブログですので最近のチャボの花梨さんの様子もご紹介したいと思います。。

 

 

今年の5月に引っ越してきてやっと環境に馴染んできました。

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椅子の上で箱座りしています(笑)

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初めての冬を迎えてこの寛ぎ様ならもう安心ですね。

併設されたカフェに来るお客様にもかわいがってもらっています。

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素敵なカフェテラスを背景に一枚。

 

今年も大変お世話になりました。

ブログを見てくださってありがとうございました。

それでは皆様よいお年を!

 

 

 

 

取付け待ちの家具達

家具屋の五味です。

現在、工場には箱物の家具達が所せましと置かれています。

新築に納める家具やリフォーム物件に納める家具を複数同時に製作しております。

その家具達の一部をご紹介します。

 

こちらは収納たっぷりのキッチンです。

引出しの前板が外してあり内部の引き出しが見えています。

ちょうど上部のへこんでいる所にコンロが置かれます。

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お次もアイランド型キッチンです。

アイランドなのでキッチン側はシンクや食洗器はあり、

反対側は収納扉になっています。

かなり大きいので納品現場で組み立てられるように出来ています。

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こちらは収納家具です。

かなり大きくて物が沢山入りそうですね。

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下がオープンな洗面台です。

オープン部分にはタモの突板を施しています。

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電気オーブン台(左)とトイレ手洗い(右)です。

両者ともタモ突板の扉が付きます。

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こちらは幅の広いTV台です。

とにかく幅が広くてシンプルな造りですが、3.6mもあります。

中央は扉、両サイドは引出しです。

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こちらには無垢の天板が乗るのですがこれも自社で板を剥ぎ合わせて作っています。

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長さが長いので木材を選別するときから気を使いました。

この長さを剥ぎ合わせるのも骨が折れます。

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その分完成した時は壮大です。

 

そんな家具達を製作している合間に

テーブルの修理と脚の製作のお仕事を頂きました。

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こちらは杉のテーブル板で思い入れがある板なので良くしてほしいとの事でした。

脚には杉材を使い本箱型にしました。

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他にもまだまだご紹介し切れないくらいありますが、

次回にしたいとおもいます。

 

大きなタモのテーブル

家具屋の五味です。

ここ最近は忙しかったのもあり季節を忘れ仕事に没頭しておりました。

いつの間にか春めいて桜の花が咲く季節になっていました。

昨日は久しぶりに平日休みを取り用事も兼ねてお花見をしてきました。

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例年よりも花が長続きしている気がします。

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9分咲きといったところでしょうか。春を満喫してきました。

 

さて3月に納品させて頂いた「大きなタモのテーブル」をご紹介します。

新規で設計事務所様から頂いたこちらのお仕事ですが

「大きな」とはどれくらいかと言うと、3600㎜×1350㎜という大きさです。

この大きさの板が入る家があるのかと思うところではありますが、

横浜の某会社様事務所に納品させて頂きました。

さすがに搬入と設置の都合上ハギの一枚板とはいきませんので

1800㎜の板2枚を現場でつないで3600㎜になる仕様となっております。

そして今回少し難しかった事があります。

何かと言いますと、長さ方向をつなげた時にハギ板の幅が

揃うようにとのご要望を頂きました。

自分にはこれが一番難しかったです。

その難しさはここでは割愛させて頂きますが、

同業種の家具屋さんがこれを聞いたらすごく大変だなと思う仕様だと思います。

ですが、チャレンジすることは悪い事では無いなと開き直り、

多少の苦労や緊張はしましたが無事に完成し納品することが出来ました。

 

工程順に行きますと、先ずは材料の使い方や大きさを決めて大まかに材料を削って製材する

木取りと呼ばれる作業です。

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ここで木の木目や表情の出し方、悪い部分を落としたりと最重要となる作業です。

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削りをして平面を出したり材料の形を整えます。

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削り後に木目を合わせたり材料を入れ替えながらハギ方を決めます。

ここまでが木取りです。

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次に板をハギます。ハギとはすなわち板と板を接ぐことを言います。

木取りで決めたとおりに接ぎ合わせます。

先ほども触れたとおりハギの通り幅を合わせなければならないので

作業としては難しかったです。

後に接いだ部分からハギ割れを起こさないように少し特別な技法でハギます。

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ここまできたら後は目をつぶってても出来ます。

作業の重要度の80%はクリアしています。

残る作業はジョイント金具の加工と両面仕上げです

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しかし、ここからは段取り勝負です。

通常では無い大きさの板で奥行きが1350㎜も有ると一人でひっくり返すことが出来ません。

昼間は1人での作業が多いので大工さんの帰ってくるのを待ったり朝大工さんが出かける前に声を掛けたりと実はここの気苦労が大変でもありました。

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ご覧の通りハギ幅もぴったりと合わせました。

 

加工と仕上げを終え残るは塗装です。

今回はご希望に添い「オリオ2蜜蝋タイプ」に濃い目の色を調色しました。

いわゆるウレタンオイルと言うものです。ある程度の耐水性を持ちつつ

オイル感の良さも兼ね備えてなおかつワックスを掛けたようなスベスベな仕上がりの

オールインワンという感じですね。

無事に完成しました。木目が浮き上がるようでタモ材と色との相性がいい感じです。

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納品はビルの中で少し重かったですがなんとか運び込みました。

今回テーブルの脚はリフォーム現場の大工さんが制作して下さいました。

もちろん綿密な打合せも行っておりますので据付もバッチリ予定通りです。

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この広い事務所によく合う大きさです。

事務所の雰囲気を一発で決める存在感です。

ここに10人座るのだそうです。

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据付も終わりこの仕事をやってて良かったって思える瞬間です。

奥の窓から海と船が見えての風景が絵画の様です。

お客様にもとても喜んでいただけました。

久しぶりに無垢を堪能しました。

五味

 

 

 

 

ウォールナット一枚板テーブル

今週はウォールナットの一枚板テーブルを仕上げました。

幅が2500mmの大きな一枚板です。

芯に近い材で入り皮がありますが、色も良く木目の通ったとてもいい板です。

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なんというか迫力があり木の生命力を感じます。

こういうすばらしい木を加工する時は経験の有無にかかわらず緊張するものです。

 

 

先ずはルーターで平面出しを行います。多少の反りが有ったものの思ったより捩じれが少なく、何とか50mmの厚みに仕上げることができました。

 

平面出し後ルーターの刃の跡を鉋で取り去ります。

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ウォールナットは仕上げの工程が進むたびに色や木目が浮き出てきてとても綺麗です。

そして、木口側は直線にカットせず製材の状態に近いワイルドな仕上がりにしました。

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今回はコード穴が欲しいというご要望で二箇所にコードキャップを取り付けました。

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仕上げ後オイル塗装を施し完成です。

 

五味

 

かつらの大テーブルとウォールナットのガラステーブル

今週はテーブルの製作をしました。

材種は桂(かつら)で、テーブルの幅は3m、厚みも当初70mmあり特大サイズです。

先ずは、この様な荒木の状態から木のねじれや反りを取り除く、平面だしと言う作業をします。

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この様に平滑になります。

その後、鉋がけやサンディングなどで仕上げていきます。

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3mと大きなテーブルでは全ての作業に通常の倍以上の時間がかかってしまいます。

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その分出来上がったときの気分は格別です。

ものすごく立派で綺麗なな木だなとおもいます。

 

 

そして、こちらは銘木ウオールナットのガラステーブルです。

元々一枚板だったものを挽いて加工し、くみ上げています。

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中央の四角い部分にガラスを落とし込み、天板とガラス板がフラットになるように出来ています。

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中央の内側部分には木の耳(皮)を使っています。

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耳の部分がガラスで透けて見えるのでとても面白い形だと思います。

この様に様々なご注文を承っております。

五味