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框戸(かまちど)

家具職人五味です。

今回はしっとりと框戸についてです。

 

框戸とは枠で組んだ無垢の扉の事を言います。

建具を吊る場所によって、ガラスやポリカーボネートなどの

様々な素材を入れる事により用途を使い分ける事ができます。

新築やリノベーションなどで主に家の中心となる場所の入り口に提案させて頂く事が多いです。

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建具を構成する4本の木材ですが、目通りの良い高級な柾目材を使用しています。

柾目は目切れが無く見た目が良い事に加えて、木材の質としては最も狂いの少ない素材です。

四本の枠だけで構成される框戸にとって材の狂いは致命的な捻れとなって現れることとなります。

捻れた建具は上端と下端がの位置が10mmも20mmずれてしまう事になりかねません。

 

框戸の加工で部材の接合は「ホゾ構造」で組んでいます。

ホゾは強度が有り捻れを抑えたり、框戸との相性が良いのですが多少の技術を求められるので、

昨今では建具屋さんでも敬遠される事が多いです。慣れてしまえば基本的な楽しい木工技術の一つです。IMG_8682IMG_8683IMG_8685

ホゾに変わる加工としてはダボ構造やドミノなどが有りますが長期的な強度に欠点が有り、後に剥がれて脱落するなどの事例を沢山見てきました。建具に限って本質的にはホゾに変わる構造は無いものと思っております

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少し専門的な話しでしたが、普段どんな事を考えて木工をしているかを少しお話ししてみました。

 

 

 

 

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建具の製作

今週は新築に納める建具を九枚製作しました。

今回はラワン突き板のフラッシュ構造の建具です。

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フラッシュ構造とは、芯材を枠で組み両面を化粧合板で覆う構造を言います。

ベタ芯構造や無垢の框組みなどと比べて狂いが少なく、格段に軽いのが特徴です。

芯材はLVL材を使用します。LVL材はフラッシュ芯材や建築の梁などにも広く使用される積層材です。

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エアータッカーで芯材の枠組みをします。

プレスを使いラワン合板を両面に接着し覆います。

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パネルソーにて長さと幅を決めます。

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上吊り金具や戸車、手掛溝などの必要な加工を施します。

今回は大手貼りはしないでLVLを見せる使い方です。

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手に触れる手掛溝や角のエッジを丁寧にペーパーで丸くします。

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ラワン材の木目は選ぶことができませんが、比較的いい材料だとおもいます。完成です。

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オリジナル製作の建具を作っています。

7月7日 19:28 家を創る人びと

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yamamoto

投稿:やまもとふみこ

 

日ごとに暑くなる気温に比例して只今工房内もヒートアップ中。

暑い暑い。。

 

リフォームなどの現場作業に加え、都筑区の加工場では家具や建具の製作が続いています。

工房での製作・加工を担当してくれるのは家具職人の村越さんです。

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シナ合板の扉に引手になる部分だけ雲杉の板をビスケットジョイントして繋ぎます。

引手は彫り込んでスッキリ!が中山建設で良く作る建具のスタイル。

一見ただの板。そしてただの扉。

と思われがちな建具ですが、実はとっても奥深い。

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現場で採寸してきた寸法を村越さんに伝えて、各部材の大きさや厚み、現場での納まりを確認しながら、取り付ける際の寸法を割り出して~。。と、少しでも採寸を間違ってしまったら一発アウトなので緊張感ビリビリ。

でもそこは工房と事務所が併設されている私たちの強みと言いましょうか。

現場を確認してきた監督と、実際に製作をする職人とがすぐ近くにいて、お互いに現物を確認し合いながら作業を進める事ができるので、結果複雑な納まりの建具製作も可能なのです。

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実際に製作する際には、1/1スケールの実寸で部材の大きさを書き出してみます。

小さな図面では気が付かなかった納まりの問題点が見えてくるのでコレは大切な作業。今日も村越さんが書き出してくれた1/1を見ながら引手の位置などを決めていきました。

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出来あがったシナ合板の扉雲杉の彫り込み引手の建具。オイルを塗って完成です♪

そして村越さんがオイルを塗っているのと同じ頃、修ちゃんが作っていたスプルスの格子付き引き戸ももうすぐ完成。

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夕方の工房では、完成間近の建具のオイル塗りの光景があちこちで見られました。

あとは現場へ持って行って取り付け。

取り付けの様子もまた別の機会にご紹介いたしますね。

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緑景の家のこげ茶の扉

12月17日 18:08

yamamoto
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投稿:やまもとふみこ

 

 

年末に向けての慌ただしさも一山超えてまた一山!と言った感じですが、一山超えるたびに近づくお正月休みに向けてラストスパート!

緑景の家新築工事もそろそろ大詰めを迎える頃でして、年内には工事の様子をブログでお伝えしたいなぁと思っています。

乞うご期待!
そんな緑景の家、先日は夜の工房で佐藤塗装の佐藤さんが建具(室内の扉)の塗装をしていました。

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シナ合板で作った扉に濃い色のオイルを塗ってこげ茶の扉を作っています。

室内全ての扉を塗装しているので合計17枚。塗った面が乾いたら裏返してもう一面を塗って完成なので、合計34面の塗装をする事になります。

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さささ~っと楽しそうに扉を塗っている佐藤さんが使っているのは オスモのコテ刷毛。

普通の刷毛で塗るより、ずっと手早くムラなく仕上げる事が出来るのでお気に入りなのだそう。

 

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オイルを塗ってしばらく乾かしたら、布で拭き取り。

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拭き取りの作業は表面の傷や凹凸を確かめながら素手で行います。

便利な道具もいろいろあるけど、やっぱり最後は人の手。

かじかむような寒い日も素手で表面の塗り上がりを確かめながら仕上げた建具が付いた完成の様子が楽しみですね。

 

 

 

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和室をリメイク。戸襖の交換

一度更新の間が空いてしまうと、なかなか復活のタイミングが掴めなくなります。。

いやいや!ただいまリフォーム中のお家のご紹介もしたいしっ! これから始まるリフォームも盛りだくさんだしっ! 桜も咲いてるしっ!もうすっかり春だしっ!

って事で、本日久しぶりのUPです(笑)

リビングのお隣に和室。

マンションではよく見る間取りですよね。

大人数のお客様がいらした時には座卓を囲んでお食事が出来たり、来客時の寝室としても便利な和室ですが、意外とこの和室を持て余してしまう方も多く、洋室への変更を希望される方も多いです。

今回のお客様も、何年か前に畳をフローリングに交換されていらしたそうで、今回は和室の趣を残している戸襖の交換をご希望でした。

ガーリーな可愛らしい物がお好きとの事ですので、このお部屋のテイストに似合った、素敵な建具をお作りしましょう♪

工程は約二日間。

オーダーメイドで製作した建具の吊り込み一日と、枠の塗装で一日。日を開けての合計二日間の工事です。

この写真は、一日目の最後の方のパチリ。。敷居に何かをササッと滑らせています

建具屋さんのお仕事の最後に、良く見かける光景なのですが。。。。何をしているかお分かりになりますか??

職人さんが手に持って 敷居こすり付けていたのはコレ。

石鹸。。。?ではなく 蝋(ろう) です。

重たい戸も、蝋で滑りを良くした敷居の上をスルスルと気持ちよく滑らせる事ができます。 こうしたちょっこっと知恵袋的な職人技を見るとなんだか楽しくなってきてしまうのは私だけでしょうか。。。?

そして建具屋さんのお仕事完了。

窓の無い和室なので、リビングからの明かりが取り込める様、大きくガラスを入れました。

同じく押入れの扉も同じ面材の扉に交換。

後日枠を白に塗装したら、和室の面影は消え、奥様の趣味の部屋としてのリメイク完了です^^

実はこの扉の面材、遠くから見ると白い扉なのですが、光が当たると薄く

つる草模様が浮かび上がるちょっと変わった面材をセレクトしています。

工事が終わった夕方に入ってきた西日で、綺麗に浮かび上がったつる草模様の扉を見て、奥様がとても喜んで下さいました。

お洋服を作ったり、編み物をするのがお好きと仰ってらしたので

ちょこっとリメイクで益々お気に入りになったこのお部屋は、更なる創作意欲を湧かせてくれそうです^^

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only one の家創り。建具屋さんのお仕事

 

もうすぐ完成の白楽の長い家。 今日はonly one の 「あるもの」が入りました。

 

 

みぞれ交じりの寒い日に、双葉建具店さんが運び込んできてくれたのは。。

大きな建具。

今回一階部分の扉は全て、オリジナルで製作した建具を使用しています。

長い家の設計士古川さんと、双葉建具店岩本さんの打ち合わせ。

「建具屋がするのは、設計士さんのイメージを忠実に再現する事なんです」

と、岩本さんが言ってらした言葉が印象的で、とても頼もしい。中山建設の家創りには、なくてはならない大切なパートナーです。

考える人がいて

それを作る人がいて

それを使う人がいて

only one の物が出来上がるまでにはたくさんの人の「想い」が込められていくのでしょうね。

そうして仕上がった物は、一目でわかる凛とした雰囲気をまとっています。

既製品を使用する場合ももちろんありますが、「建具にはこだわりたい!」と、常日頃から代表の中山が言っている理由は、仕上がりを見て頂ければ一目瞭然なハズ。

一本一本調整をしながら扉を取り付けて行く様子は、使っている道具も、一見した作業も、大工とよく似ているのだけど、より繊細で細かな建具職人達の仕事は、この家が醸す雰囲気を引き締めてくれているかの様です。

 お客様をお迎えした時に

「このドア素敵ね~!!」

なんて、ドアが自慢になるようなそんな家、素敵ですよね^^

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