構造用面材を検討する
2019年 株式会社マクス・株式会社創建社・有限会社丸晴工務店・中山建設の4社合同で
家を作る現場で使える木構造実験で体験する
「実大試験体加力実験」を行いました。
木造構造の第一人者である山辺構造設計事務所 山辺豊彦さんを
解説者として招くという贅沢な実験!!
否が応でも上がります。
実験会場は関東職業開発大学構内
環境の整った素晴らしい施設です。
ひろい。高い。
こんな工場があればね、なんでもできるなこんな場所あればと夢を見てしまうぐらい良い環境でした。
今回の実験体リスト
15日
①タイガーEXボード9.5㎜ 壁倍率2.3倍
②モイス壁倍率3.8倍 (背割れ入り柱・モイス縁からの離れ30㎜)※大臣認定ではない
③筋交い金物止め 桧45×90 2倍用筋交い金物
16日
④モイス壁倍率3.8 大臣認定仕様(FRM-0306)モイス縁からの離れ12㎜
⑤ハイベストウッド9㎜ 壁倍率4.0
⑥垂木@455+化粧天井+構造用面材
引き抜き試験
①込栓 天然乾燥材 土台上場から45㎜ 18㎜樫 土台:桧 柱:桧
②込栓 天然乾燥剤 土台上場から60㎜(土台中心) 18㎜樫 土台:桧 柱:桧
③込栓+オメガ15KN 天然乾燥剤 土台:桧 柱:桧
④込栓 人工乾燥材 土台上場から45㎜ 18㎜樫 天乾
⑤込栓 人工乾燥材 土台上場から45㎜ 18㎜樫 土台:桧 柱:杉
⑥オメガコーナー15KN 2個 人工乾燥材 土台:桧 柱:杉
⑦込栓斜め打ち 人工乾燥材 土台:桧 柱:杉
⑧ほぞ貫通クサビ打ち 人工乾燥材 土台:桧 柱:杉
これだけの数を2日間かけて抵抗値を計りつつ限界値まで力をかけ続けます。
最大抵抗値の80パーセント減の時点で実験は終わります。
中地震(一次設計1/120変形角)建物は損傷しない
大地震(二次設計1/30変形角)建物の損傷は免れないが倒壊させず人命と財産を守る。
壊れるまでの過程でこの2か所に着目しなくてはなりません。
※ちなみにメーカーの値は1/120時になります
今回の実験で分かったこと。
構造設計の考え方で面材のセレクトから配置まで変わってくるということ!
「ここに尽きるな」と思いました
熊本地震のように大きな揺れが2回来た場合の2回目にも抵抗するには
ピーク値が早めに出て抵抗が0になるよりも、より大きく変形値が入っている場合でも緩やかにピーク値が出て長く抵抗値を保つ特性のものが良さそう
どの壁だから強いという単純な考え方では乱暴な事なんだと気づきました。
大地震で家を倒壊させない設計。
人命を守る設計が求められていると強く感じました。
この実験を通して大工はより知識を深めました。
1/120 1/30 面材・筋交いの壊れ方を知ったことは凄い事だなと思いました。
目で見て肌感で知る事は1000の言葉よりも伝わりますね。
大工を横で見ながら確信しました。
これから少しでも家を強くするための工夫が大工自身から現場から生まれる予感。
たのしみですね。